バラナシの情景

バラナシの町並みは狭い路地が入り組む迷路のような所だった。
気をつけないとあっという間に自分の位置を見失ってしまう。
その狭い路地にもたくさんの店が建ち並んでいて
暇を持ち余しているようなおばさんや
ガラの悪い兄ちゃんらがうろついている。

夜はひょうひょうと歩ける所ではない。
自分の知り合った数名の日本人は夜歩いていると
脅されたり、襲われそうになったという。
下手するとガンジス川に流されかねない。

しかしこの町で一番たちの悪いのが物売りだった。
本気でしつこいのだ。
最初は「買わないよ」「いらないよ」と言うのだが
とにかくしつこい。
最後には腹が立って無視を決め込むしかなくなるのだが
それでも「fuck you!」
とか捨て台詞を吐いてくるので相当頭にくる。

宿は安い所だと一泊100円もしないドミトリーなんかがあった。
自分は安い所で済まそうとそういう所に泊まるのだが、あまりいい環境ではなかった。
いい人に出会えればいいのだけどそういう人ばかりではない。

まず問題なのは麻薬だった。
日本だと普通に生活していてはなかなか目にできる代物ではないのセが
海外に出るとそんなものはいくらでも安く手に入る。
道を歩けば売人がいくらでも声をかけてくるのだ。
「マリファナからLSDまでなんでもあるよっ」といった感じに。
だからドミトリーの中で誰か吸う人がいたらそこはすぐに
麻薬を吸う人の溜まり場になる。
麻薬を吸わない人にとってこれほど迷惑な話はない。

日本人の中には「麻薬を吸う人=悪い人・やばい人」という図式がイメージとしてあるだろうが残念ながらそうではない。
中にはいい人もいるのだからこれまた厄介なんだ。

だが自分は基本的に麻薬をやっている人はきらいだ。
もちろん自分は絶対にやりたくない。
すってる奴等のとろんとした、ぶよぶよした目が嫌いだ。
あんな目には絶対になりたくない。

しかも吸っているへぼい奴に限って
「俺は芸術家なんだぁー」
とかいって麻薬が効いているときに書いたと思われるへぼい絵とかを見せてくる。
そんなときは何度も「ぶん殴ろうか?」とおもった。
自分の親父が芸術家だからかもしれないが
そんな腐ったもんで芸術家を名乗る感性が許せない。

麻薬でだめになった人間を見たことがあるせいもある。

ドミトリーがそんな所であるとわかったときはすぐに部屋を変わった。
日本人とか結構やってる奴が多いので彼等は彼等なりに気を使って
部屋では吸わず建物の屋上とかで吸うのだが、
一緒にいる気はしなかった。

だが麻薬というのが合法な国があるのはご存知だろうか?。
それはオランダ、「ナチュラル系」に限り法律でオッケーなのだ。
ジャンキーたちが集まるメッカらしい。聞いた話によるとアムステルダムに入るとすでに麻薬の匂いがぷんぷんしているという。

しかしさすがに「ケミカル系」は規制があるらしい。さすがに[ケミカル系」でで頭が飛んでしまう人がおおいからだろう。「ナチュラル系」はただボケ-とLazzyになるだけなのだからまだましなのだろうか。。。。。
中国留学している時のクラスメイトにアメリカ人がいたが
彼等は「これはアメリカの文化なんだ」。といっていた。
俺は吸いたい奴は吸えばいいと思う。

ただ時折いるいい大人のくせに中学生のような精神性の奴に腹が立つのだ。
「俺はわるいとしてるぜ」
「おまえはすわないのか?」
暗黙のうちの語りかけ、
中学生のタバコかこれは?
威張ることでもなんでもない。
外国ではどこにでも転がっているのだから。

そのなかで特に自分をしっかり持っていない奴(日本人が多い)が
「ついなんとなく」とか「みんながすっていたから」
という理由でどこにでもいそうな普通の奴が吸っている。
でも「親にはいえないなぁ」とか抜かすのだ。
俺から言わせれば「中途半端にやるんじゃなくて吸うのなら死ぬまで吸え!」
そう言いたい。

バラナシの情景は日本から見たらまったく違う価値観の渦の中にあるのかもしれない。
様々な人がその渦の中にやってきては出て行く。
そこで気がつくのは「価値観の基準なんてものは存在しない。」ってこと。
要は自分の価値観を強く持っていれば良いだけの話だ。
他人がああだから自分がそうやらなくてはいけないッて事はまったくない。


補足
※ 「ナチュラル系」
   「ハッパ」という言葉に代表されるように「ガンジャ・マリファナ」の天然もの。他にマジックマッシュルームとかある。特徴としては禁断症状に陥りにくい。ゆえにオランダでは合法となっている。

※ 「ケミカル系」
ナチュラル系を科学的に精製したもの、覚せい剤、LSD等。一度使うと禁断症状が起きてしまい立ち直るのが大変だという。


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