移動→カルカッタ
バラナシからカルカッタへ向かう。
そこにはこの旅行の大きな目的があった。
「マザーハウス」に行こうと思っていたのだ。
バラナシの駅で切符を買って電車が来るのを待つ。
たくさんの人で駅構内はまさに足の踏み場もない状態だ。
自分も壁にもたれながら座りこみ、周りの景色を眺めていた。
そこにはこの旅行の大きな目的があった。
「マザーハウス」に行こうと思っていたのだ。
バラナシの駅で切符を買って電車が来るのを待つ。
たくさんの人で駅構内はまさに足の踏み場もない状態だ。
自分も壁にもたれながら座りこみ、周りの景色を眺めていた。
子供がわいわいと遊んでいる。
床に座って家族連れがご飯を食べている。
物売りの子供が自分の前に来て「買わない?」と目で訴えかけてくる。
ぼろぼろの服を身にまとった盲目の老婆が手を伸ばして物乞いをしている。
大きな白い牛がプラットホームの中を悠々と歩いている。
どれも日本では見られない風景。
自分の乗る電車がホームへと滑り込んできた。
僕は牛を避けて2等寝台に乗り込む。
そこは自分の席はあるコンパートメントの一番上のベッドだった。
二つのシートが向かい合うように並んでおり
一番下と二番目のベッドは昼は座席になる。
自分が乗ったときには既に3名の人がいた。
二人はインド人のおばちゃんとおじちゃん
もう一人はドイツ人のおじさん。
それに自分を加えた計4人だった。
電車は動き始めた。
熱帯の生暖かい風が窓から入り込む。
和やかな雰囲気でカルカッタまでの旅が始まった。
インド人のおじちゃんとドイツ人のおじさんは英語ができたので
自分のつたない英語でなんとか会話をすることができた。
でもインド人のおばちゃんはあまりはなせなかったのだが
インド人のおじちゃんに通訳を頼みながら身振り手振りでコミュニケーションしていた。
発車して二つ目の駅、
そこは停車時間が長かった。
そこへ自分等のコンパートメントにあきらかにガラの悪い男4人が入ってきた。
そしてなぜか6人がけのシートにその四人は座ってきて
8人のぎゅうぎゅうの状態になった。
何かおかしい、
そう思ったが初めてのインドでの移動だったし、
おじさんとおばさんが特に何もいわなかったので
「もしかしたらインドではあたりまえのことかもしれない」と思い、
気にしなかった。
4人の男は特にしゃべるのでもなく押し黙ったままである。
しばらくしてチャイ売りの少年がやってきた。
自分は喉が渇いていたのでその少年の持っていたチャイとお菓子を買うことにした。
そして品物を受け取ったのはいいけれど8人のぎゅうぎゅうの状態のため
それを置くスペースがまったくなかった。
それで一瞬お金をどう渡そうかかんがえていると
「 Can I help you?」
とガラの悪い兄ちゃんの一人が声をかけてきた。
意外な言葉だったので、お願いと答えてしまった。
ここで「ここはインドなんだっ」て事をしっかり自覚するべきだった。
彼は「そのかばん邪魔そうだから上のシートにのせようか?」
と僕のひざの上にある小さなリュックを指差していってきた。
確かに邪魔で、しかも上のシートは自分のシートだったので何も考えずにお願いしてしまった。
ちゃんと上のシートにかばんが置かれるのを確認して、
自分はチャイとお菓子をひざの上において代金を少年に払った。
そのあと10分ぐらいその男たちは黙って居座っていたが
発車直前になって不意にどこかへ行ってしまった。
もといた4人でなんだったんだろう??と顔を見合わせていたときに
斜め向かいに座っていたインド人のにぃちゃんが
「おまえのかばんはどうした??」といってきた。
「?、上においてあるけど??」と答えると,
「ないぞ!さっきの奴等がとっていったぞ!」
なにぃ!?
急いで確認してみたがホントにない。
そのかばんの中には小さな電子辞書とカメラ、地図、上からはおれる服、が入っているのだ。
何よりもカメラがなくなるのは痛い。
急いで4人を追うのだがもう跡形もない。
第一インド人の中で見知らぬインド人を探すのは不可能に近かった。
鉄道警察を捕まえて、「かばんをとられた!!」
というととりあえずシートのところまで来てくれて
周りのインド人の人から事情を聞いてくれたが
答えは「探し様がない」だった。
しかし自分は確か海外保険に「携帯品盗難」的なのに入っているはずだったので,とりあえず盗難証明をもらうことにした。
しかしこれは大変だった。
既に電車は出発している。
後部車輌の駅員が乗る車輌へ駅員に連れて行ってもらい
そこでbossらしき人と話をしなくてはいけなかった。
英語がべらべらならまだしも片言しかしゃべれない中
辞書を片手に会話が始められる。
まず「自分は盗難に遭いました。」ということを書かなくてはいけないのだが
それを英語でどう書くかのかもわからない。
そんな中、公文書を作らなくてはいけなかったのだ。
たぶん2時間ぐらいかかったと思う。
でも警察の方々はフレンドリーに接してくれてなんとか作る事ができたのだった。
ありがたい限りだ。
シートにかえるとおばちゃんが「災難だねぇ」とか身振りで話し、
おじちゃんは「最初からあやしかったんだよ」といった。
旅の災難は自分の不注意から起こるものだったので
かなりへこんだ。
カメラがなくなってしまったのが何よりもへこんだ。
自分が席をはずしている間に荷物を見てくれた
ドイツ人のおじさんに礼をいい、その日は疲れたので早々と寝ることにした。
盗難証明書はカルカッタの駅でしか発行できないのだ。
あとはカルカッタにつくのを待つしかない。
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