シベリア鉄道の終着地点モスクワをめざし悠々と列車は走っていく。モンゴルの首都ウランバートルからモスクワまでは約五日かかる。
夏のシベリアは緑が青々としている。多少気温は低いがイメージしていたより厳しい環境ではなかった。
自分の乗っている車両は人が少ない、自分の部屋のチェコ人が二人、同じ車両の別の部屋フィンランド人が二人、の計5人だった。
五日間となるといかに時間を使うかが問題だった。駅に着くと同じ部屋のチェコ人とご飯を買いに行ったり、列車が移動している時は持っていたギターでフィンランド人と遊んだりしていたのだが圧倒的に暇であった。